早明戦 記者会見
早明戦 記者会見
2023-05-19
神鳥裕之監督:
「本日はありがとうございました。熊本県協会、並びに九州協会そして多くのラグビーファンの皆さんの前で試合ができたことに感謝申し上げます。
春季大会は、春シーズンに自分たちがやって来たことがどこまでできるかを確かめるいい大会です。その意味において早稲田大学は格好の対戦相手でした。前半、リードして折り返すことができて、良いところもありましたし、苦しい時間帯・後半にはいいパフォーマンスが出せなかった反省点もあります。
この先まだ大会は続きますので、しっかり反省をして次の試合に生かしていきたいと思います。」
廣瀬雄也キャプテン:
「本日はありがとうございました。素晴らしいスタジアムで、素晴らしいファンの前でラグビーができたことは「紫紺」を着たメンバーにとって、本当に幸せなことだなと思います。
監督も仰ったように、前半良い形で明治のラグビーが出来ていたのですが、後半、ちょっと隙が出来てしまうと早稲田大学にスコアに繋げられてしまうシーンが数多くあったので、チームにとっては良い課題が見つかったかなと思います。」
Q:春季のチームテーマを「挑戦」としていますが、この試合では何に挑戦したのでしょうか?
神鳥裕之監督:
「あらゆることに挑戦していこう!ということで、新しい取り組みもそうですし、サイズアップすることもそうですし、対戦相手もそうです。
今日のゲームにおいては、昨年、最後に苦しい・悲しい・辛い思いを味わせられた相手ですので、我々としては挑戦者であるというマインドで向かっていこうと。受けないで、自分たちから仕掛けていく。相手よりもひたむきに、相手よりもハードワークする、というところで戦おうと試合前には伝えていました。自分たちは常にチャレンジしていく立場として、これからもハードワークしていきたいと思っています。」
廣瀬雄也キャプテン:
「昨年悔しい思いをした相手ですので、挑戦者という意気込みでみんな挑みました。個人的には、グラウンドに立てなかったので、外から新たな視点でチームを見ることが挑戦でした。外から見て気付いたことをどう仲間に伝えていくか、どう伝えれば良い形で勢いをつけられるか、を考えながら見ていたのでそれは良い挑戦になったと思います。」
Q:「モメンタム(勢い)を持って、相手を圧倒する」ことを試合のテーマにしていましたが、前半の試合運びはそのような形になったといって良いでしょうか?
神鳥裕之監督:
「自分たちがやって来たことをしっかり出すという観点で、しかも骨のある相手にどれだけ通用するか、どれだけチャレンジできるかということでしたので、相手というよりも自分たちのやっていることの精度がどれだけ出せるかという観点では前半は良かったと思います。
廣瀬キャプテンも言ったように、厳しい時間帯であったり、早稲田大学はそんなに簡単な相手ではないので、相手が勢いを取り戻して来た時の自分たちのリアクションだったりはこれから秋のシーズンに向けてレベルアップしなくてはならないと思います。ただ、やろうとしている方向性は間違っていなかったと感じています。」
Q:キックを多用していましたが、戦略として狙っていたのでしょうか?
神鳥裕之監督:
「具体的に指示はしていません。グラウンドの選手たちの個々の判断、スペースを見つける力から生まれたプレーだったと思っています。
今日のようなプレッシャーの掛かったゲームの中で、いかに精度高くやり切れるかが、今後のテーマになっていくと思いますので、そういうところもレベルアップさせていきたいなと思っています。」
Q:去年の結果を受けて、今シーズンのチーム作りやプレースタイルで変えたことはありますか?
神鳥裕之監督:
「何かを変えたかと言われれば、細かい戦術であったりは当然変わっているんですが、大きな考え方として明治大学ラグビー部の大事にしているアイデンティティ、そう言ったところに立ち返ろうと話しました。
この4年間大学チャンピオンから遠ざかっている中で、うまくいかない、結果が出ない時に新たな試みや取り組みや考えは必要なんですけれど、創部100年で部員たちが築き上げてきた伝統や明治のイメージというのが賜物としてありますので、そういったところを意識づけるために、明治と言えば強いスクラム、強いフィジカル、「前へ」といった勢い=モメンタム、こういったところを生かしながら、明治ラグビーらしい戦いをしようということを打ち出してこのシーズンは進めています。
具体的に、サイズアップするために食事内容は変えましたし、トレーニングメニューを各選手の特徴に合わせてプランニングしたり、スクラムのトレーニングを例年よりも早く取り掛かったりとか、大方針の中で各コーチが細かくプランニングしてくれて春はやっているというところです。」
Q:九州・熊本での試合開催について、九州についての思いを教えてください。
神鳥裕之監督:
「九州といえば、ジュニア世代のラグビーがとても盛んな土地柄だという印象は持っていますし、明治のOB・現役含めて多くの九州出身者、ここにいる廣瀬キャプテンもそうですし、ラグビーに対して本当に熱のある地域だと印象を持っています。
私自身は熊本でラグビーをするのは初めてですので、こういった素晴らしいスタジアムがあって、ワールドカップの開催地ともなってリーグワンやトップチームの試合があるという環境があるということも含めて、九州自体のラグビーがこれからますます盛り上がって欲しいなと。その中で明治大学ラグビー部が寄与・貢献できることがあれば是非関わっていきたいと思います。ラグビー界全体が盛り上がっていけるような取り組みに少しでも我々が関われるのであればやっていきたいと思っています。」
廣瀬雄也キャプテン:
「自分は地元・九州出身ですし、ほとんど記憶はないのですが、父がかつて熊本にあったニコニコ堂でプレーしていたりと関わりは深いので、正直に言うと今日の試合は出たかったです。
家族や友人、ラグビーファンのみなさんの前で伝統の一戦が開催されて、プレーを見せて恩返しすることは選手にとって何よりのことですし、宗像サニックスブルーズやコカ・コーラレッドスパークスがなくなってしまう中で、昨日はリーグワンの入れ替え戦でキュウデンヴォルテックスが昇格を果たしてくれたこともありましたので、九州のラグビーを盛り上げるためにも僕たちにできることがあれば貢献していきたいと思っています。」
大田尾竜彦監督:
「本日は素晴らしい環境を整えていただき、また、試合前から熊本県協会はじめ多くの皆さまのホスピタリティと「この試合をいいものにしよう」という心意気が伝わって来て、とても感謝しています。ありがとうございました。
春に明治大学と試合ができた事はいい経験になったと思います。試合内容はいろいろありましたが、これまでやってきたこと・やれることを選手たちはやってくれたと思いますし、課題も見えたいい試合だったと思います。
私からゲームプランは特に掲げていなくて、選手たち自身が思うことをやり切るようにと言っていました。その中で、試合中何度も同じミスやシチュエーションを繰り返す中で、修正力が不足していたと感じました。例えばブレイクダウンでは、少し意識を変えるだけでもっといい状況を生み出せると思いました。
そのあたりの課題が明らかになった試合であったと思います。
後半、選手交代では、春季大会でデビューする選手たちがどれだけやれるかを見極める場でもあるので、後ほど振り返りたいと思っています。」
伊藤大祐キャプテン:
「先ずは負けたことが悔しい。本当に悔しいです。そして、次に向けて自分たちがやることが見えたと思いました。
僕自身、プレーに一貫性がなく、相手に関係なくミスしたりしてしまいました。コンバージョンキックも2本外して、得点を詰められたところだったので、みんなのモチベーションを下げてしまった責任が大きかったと反省しています。自分自身にベクトルを向けて、春の試合はこれからも続くので、一試合一試合しっかり練習を積み重ねて頑張りたいと思います。」
Q:後半出場した熊本出身の仲山倫平選手についての印象は?
大田尾竜彦監督
「今彼は2年生で伸び盛りという印象です。ボーをもっての仕掛けであったり、前を向いて状況を見る力に目を見張るモノがあります。コンタクトプレーの部分でも成長が見られますので、これからが楽しみです。」
Q:明治大学に対して試合前に予想していたことと違ったところはありましたか?
「コンタクトプレーやスクラムで相手にやられてしまったという印象はなくて、少しだけ明治大学の方が一つ一つのプレーに「しつこさ」があったかなと思いました。
我々は怪我から復帰した選手もいるので、これからはチーム力が上がっていくと思います。やるべきことをやっていこうと思っています。」
Q:前半スクラムが多かったり、セットプレーの精度に欠けることがあったことについては?
大田尾竜彦監督:
「スクラムが回ってしまったり前半同じようなやられ方をしてしまった事は、プロップの下村選手にとっていい経験になったと思いますし、経験値が上がったいい機会と捉えています。
彼自身何かを掴んでくれたのではないかと思います。明治大学のハンドリングエラーが多かったのに、それをチャンスとして活かせなかったとは思いましたけど、そこまで大きなこととは捉えていません。」
伊藤大祐キャプテン
「フォワード陣の頑張りに対して、バックスはイージーなミスが多く、それが大きな敗因かと思います。」
Q:九州・熊本での開催について、今後期待することや、やってみたいと思う事はありますか?
大田尾竜彦監督:
「秩父宮ラグビー場など都心で開催される試合が多い中で、九州の子供達にとっては観戦の機会が少ないと思います。そういう中での地方開催は大学生のプレーを見てもらういい機会でもありますし、子供達に憧れを抱いてもらってラグビーの裾野が広がることに繋がる非常に大きな意義があると思います。早稲田大学ラグビーにとっては「赤黒」を着る者たちの責務でもあると思っています。こういった形をはじめとして、これからも貢献できればと思います。」
伊藤大祐キャプテン
「自分たちが知らないところでたくさんの方達が動いてくれたことに改めて感謝申し上げます。子供達にも、少しでもラグビーの楽しさを伝えることができたのではないかと思うので、これからもラグビーを盛り上げるために頑張っていきたいと思います。」