活動報告
2月4日、熊本県立大学で二ノ丸氏を講師に「コーチングクリニック」が開催される
2月4日、熊本県立大学で二ノ丸氏を講師に「コーチングクリニック」が開催される
2月4日(日)14:30から、熊本県立大学CPDセンターに於いて、熊本県ラグビーフットボール協会コーチ委員会主催で「コーチングクリニック」が開催されました。今回の講師は、日本協会のリソースコーチを務め、全国12チームとコーチ契約、普段からラグビーの現場でコーチングを実践されている二ノ丸友幸氏です。
当日は、保護者や各チームの指導者を中心に約120名の来場があり、熱心にメモを取りながら視聴されました。二ノ丸講師は、パワーポイントを使って分かりやすく説明、関西弁の語り口は堅苦しくなく、自身の実例を交えながらの講演で来場者を引きつけ、あっという間の90分の時間が過ぎました。
以下に当日の講演のポイントをまとめてみました。
・指導者が変われば環境が変わり、環境が変われば結果が変わることを挙げられ、今日の講演は矢印を自分に向けて聞いてくださいと言うことを話された。
・大人の方に多いのは成功会体験をいつまでも語り、いかに固定観念に縛られているか、それを実証するために私立小学校の入試の問題を来場者に出されましたが、多くの来場者はなかなかすぐ答えられませんでした。この体験から、二ノ丸さんからは「ぜひ固定観念を取り除いてください」というアドバイスあり。
・本日のキーワードは「気づき」。これを意識すると20%ほど理解力が増す。
・良かれと思う言動が、実は子供の成長に妨げになっていないかとの問いかけがあり、「フォロワーシップ」つまり指示通りではなく、フォロワー(選手)が主体的に行動することにより組織に貢献し、目標を達成させることが大切である。フォロワーシップが成り立っている選手は、主体性を持ってゲームを進めることができるので、結果的に強い組織がつくりあげられる。
・強い組織に必要な3要素。選手を引っ張るリーダーの存在、選手を変える指導者の存在、主体性を発揮する選手の存在。
・自主的と主体的の違い。自主的とは、決められたテーマに対して自ら率先して取り組むことや、管理された中での率先垂範=優等生。対して主体的とは今何をするべきかに気づき判断し行動することができること。選手には自主的より主体的に行動できる選手が求められる。
・目標達成させるためには今何をするべきかを考え、逆算方式で主体的に取り組み、物事を進めることが大事である。
・管理を受けてきた選手の特徴としては言われたことしかできないが、主体的には行動ができる。これに対して育成を受けてきた選手の特徴は、自ら気づき判断し行動し成長する。常に主体的に行動できる、また考える習慣が身についていることが挙げられる。
・一見同じように同じような意味に取られがちなティーチングとコーチングの違い。ティーチングとは明示的指導、コーチングとは暗示的指導の仕方。コーチングの手法として必要な事は、大人のフィールドではなく子供のフィールドで話すことが大事。また、視覚や聴覚に訴えるダブルアプローチが効果的である。実例として二ノ丸さんは選手たちに何かを伝える際、実際グラウンド脇にホワイトボードを用意してそこで説明をされる。
・選手や子供に何かを聞く際もクローズドクエスチョンでイエスかノーを言わせるのではなく、オープンクエスチョンで常に考えさせる環境を構築することが大事である。
・結論として強い組織とは、選手を変える指導者のコーチングにより、主体的に行動する自立型選手が目標を達成している組織のことである。
・最後に来場された保護者の方に親がしていけない言動として、第二の指導者にならない(指導者を尊重する)、指導者の文句を言わない、子供を認めてあげることが大事(良かれと思うことが妨げになっていないか気づく)。
子供たちに対してはつい口に出してしまうようなことも、子供の成長を見守る意味でぐっと我慢し子供に考えさせられる時間を与えることが子供の成長につながると言う点を気づかされた講演会でした。
二ノ丸さん貴重なお話をありがとうございました、また機会があればぜひ熊本にお越し下さい。お待ちしています。